住宅市場が低迷する中、土地・住宅市場は賃貸収入に期待
バンコクポストの記事と私見を交えて下記にご案内いたします。
Land & Houses、住宅販売が低迷する一方で賃貸事業が成長
タイ証券取引所(SET)上場の大手不動産デベロッパー、Land & Houses(LH)は、2026年上半期の賃貸事業による収益が前年同期比18.2%増加した一方、住宅販売による収益は32.9%減少したと発表しました。
住宅市場が低迷する中、家賃収入など継続的に収益を生み出す**「リカーリング・インカム(継続収益)」の重要性が一段と高まっている**ことが浮き彫りになっています。
同社のIR・サステナブル開発担当アシスタント・バイスプレジデント、Yanisa Srivipapattana氏によると、賃貸事業は引き続き好調に推移しており、市況低迷による住宅販売の落ち込みを補う役割を果たしています。
→不幸中の幸いで賃貸収益が増加したものの不動産業者の収益は販売による収益が大部分となるので、販売収益が3割以上も減少したのは大きなダメージだと思います。
不動産購入したくても買えない人が多く、賃貸のニーズが高まり、タイ人の中でも所有するより身軽な賃貸を選ぶ人が増えております。
賃貸・サービス収入は44.9億バーツに増加
2026年上半期の賃貸・サービス収入は44.9億バーツとなり、前年同期の38億バーツから増加しました。
賃貸事業の粗利益は前年同期比40.3%増の15.7億バーツとなり、粗利益率も前年同期の29.5%から35.1%へ改善しています。
これに対して、不動産販売による収益は前年同期の67.6億バーツから、45.3億バーツへ減少しました。
さらに販売事業の粗利益率も、前年同期の25.6%から13.1%へ大幅に低下しています。
住宅事業の低迷は会社全体の利益にも大きな影響を与えました。
2026年上半期の純利益は前年同期比44.8%減の12.2億バーツとなりました。第2四半期だけを見ると、純利益は前年同期比61.8%減の5億2,600万バーツ、販売収益も41.1%減の24億バーツとなっています。
→2,3年程前から販売不振が続いていたように思いますがそれでも前年同期比の約45%減とは、2025年はまだそこそこ売れていたのか、今年がよほど悪かったのか、それでも2026年の上半期だけで12億バーツ以上の利益があるのでこの数字だけを小規模事業者が見ると物凄く儲かってそうな感じがします。
関連会社からの投資利益が業績を下支え
一方、関連会社への投資から得られる利益は、引き続きLand & Housesの収益を支える重要な柱となっています。
2026年上半期の関連会社からの利益は16.1億バーツで、前年同期比6.7%増加しました。
主な収益貢献企業には、Home Product Center、LH Financial Group、Quality Housesなどがあります。
ホテル事業などの継続収益を強化
Land & Housesの賃貸・収益不動産ポートフォリオには、タイ国内のホテル、ショッピングモール、オフィスのほか、米国のホテルやアパートメントプロジェクトなどが含まれています。
特にタイ国内のホテル事業は好調で、2026年上半期の売上高は前年同期の26.3億バーツから、35.2億バーツへ増加しました。
同社は現在、タイ国内でGrande Centre Point(グランデ・センター・ポイント)ホテルを9施設、合計3,984室運営しています。
さらに10月には、パタヤでGrande Centre Point Voyage Pattayaを開業する予定です。
新ホテルは全494室のオーシャンフロントホテルで、Land & Housesグループにとって新たな継続収益源となります。
住宅開発には慎重姿勢、新規プロジェクトはわずか2件
一方、住宅開発についてLand & Housesは引き続き慎重な姿勢を維持しています。
2026年に新規発売を予定している住宅プロジェクトはわずか2件で、総事業価値は36.6億バーツです。
2つのプロジェクトを合わせた供給戸数は158戸で、1戸あたりの平均販売価格は2,320万バーツとなっています。
新規プロジェクトを限定している背景には、既存プロジェクトの販売を優先する同社の方針があります。
実際、2026年上半期の予約販売のうち、98%を既存プロジェクトが占めました。
一方、上半期の予約販売総額は前年同期比34.6%減の53.3億バーツとなり、物件の引き渡し額も32.9%減の45.3億バーツとなっています。
→新規プロジェクトは年々少なくなっております。1戸あたりの平均販売価格は約1億円を超えるなど富裕層向けの高級物件開発にのみ振り切った姿勢です。
6月末時点で69プロジェクト、販売対象は1万4,851戸
2026年6月末時点で、Land & Housesは69の住宅プロジェクトを販売中です。
これらのプロジェクトには合計1万4,851戸があり、残存するプロジェクト価値は727億バーツに上ります。
また、同社のバックログ(契約済み・未引き渡しの受注残)は104億バーツで、このうち90.2億バーツがコンドミニアムとなっています。
全体として、Land & Housesの2026年上半期の業績からは、住宅販売の低迷が続く一方、ホテルや賃貸事業などから得られる継続収益が業績を下支えする構造が鮮明になっていることが分かります。
住宅市場の回復が不透明な中、新規住宅開発を抑制して既存在庫の販売を優先すると同時に、ホテルや賃貸不動産などのリカーリング・インカムを強化する戦略が、今後さらに重要になりそうです。
→契約済で未引渡しのほとんどがコンドミニアムのようですが登記前の転売、投機目的で成約したものの損切り、住宅ローンが否決されたことで引渡しが実行されないケースが多いように思います。
