脱スラム!?バンコク中心部、クロントゥーイ港の開発
クロントゥーイと聞いて思い浮かべることと言えばなんでしょうか。
バンコクに住んでいる方や観光で何度か来たことがある方は、MRTクロントゥーイ駅、市場、港というものが思い浮かぶかと思います。
そしてクロントゥーイといえば東南アジア最大規模のスラム街としても有名です。
インターネットでクロントゥーイと検索してもスラム街として出てくる情報が多いです。
スラム街と聞くとすごく危ない雰囲気があるのですが、あまりそのような雰囲気はありません。しかしバンコクの高級住宅街の近くにありながら圧倒的に違う雰囲気を持っているのは確かです。
それはオンヌットやラチャダ―のようなローカル感があるという雰囲気ともまた異なります。
高速道路の軒下、線路沿い、川沿いにひしめくように古い家屋が密集しているのがクロントゥーイ港周辺の現在です。
クロントゥーイスラムと言われるエリアはタイが工業化へと進む1960年代に地方から出稼ぎ労働者がバンコクへたくさん出てきて形成されるようになったと言われております。
クロントゥーイというのは市場や港のエリアのみを表すのではなくバンコク都のクロントゥーイ区、ナナ駅周辺からオンヌット駅周辺までのスクンビット通りのソイ偶数側がクロントゥーイ区と表記されます。
クロントゥーイ区はナナプラザやアソーク、プロンポンのエンポリアムを含むバンコク都の中心エリアになります。これらの中心地からスラムエリアと言われるところまでバイクでたった5分程です。地元のタイ人や外国人もまず行かないですが、そこにはプレハブや築50年程経つ住宅が広がり、約10万人が生活していると言われております。
そしてそのスラムエリアに隣接する場所にコンドミニアム、学校、商業施設が建設されるというのです。
タイの開発事業はビジネス要素が非常に強く、儲かるからコンドミニアムを建てる、ショッピングモールも作るといった形になるので今回、クロントゥーイ埠頭周辺にコンドミニアムや商業施設を建てても収益は望めないので収益という観点ではなく、長らく続いてきた立ち退き問題を解決し、スラムの雰囲気を払拭させたいタイ政府の意向があるのだろうと感じます。
開発概要
建設開始予定:2020年
建設完了予定:2022年
開発エリア:約277.5ライ(約444,000sqm)
商業施設、学校、コンドミニアム等が開発される予定
コンドミニアム:25階建て 4棟 総戸数6,144戸 33sqmの間取り1タイプのみ
プロジェクトの各詳細については今後公聴会を開き決定していくとのことで2019年末までにまとめ2020年より建設を始める予定。
また立ち退き問題について住民に対して①建設するコンドミニアムに優遇措置を用いて入居できる ②バンコク郊外ミンブリーにある土地約80sqmを取得できる ③現金を受け取る(金額未定) という案が出されているようです。
バンコク中心部の新築コンドミニアムの開発にしても今まで手を入れなかったエリアが最近開発に乗り出されており、バンコクの風景が今後かなりのスピードで変わっていくのではと思われます。
立ち退き問題は非常に難しいことですが国もしっかりとした保障を出してあげてほしいと願うばかりです。