物件購入後の管理について事前に知っておいた方が良いポイント(一纏め)

今更ながらですがタイでは外国人の不動産購入は例外を除いて区分所有のみ(コンドミニアム)認められております。コンドミニアムとは日本でいうマンションです。

ここでは海外コンドミニアム購入後の管理面において事前に知っておいた方が良い注意点をご案内いたします。

バンコクのコンドミニアム情報はネット上に溢れており業者を使わず個人でも購入の難易度はそこまで高くないかもしれません。しかし購入後の管理は次のことを事前に把握、対処しておかないと物件の資産価値を下げてしまいます。

①お部屋の鍵、ある程度のお金を預けられる信用できる現地の業者または個人がいるか

家具家電の搬入、室内修繕、内覧等の対応は日本在住の方では対応が不可能です。

また光熱費やコンドミニアム共益費の支払い、修繕費用等でお金の支払いが生じます。毎回海外送金すると手間と手数料がかかる為大変非効率です。

その為部屋の鍵と1年間の共益費程度の金額を預かる、管理してくれるような業者または個人の知り合いが必要となります。

コンドミニアム現地の管理事務所のスタッフ(タイ人)に管理全般を依頼されている日本人オーナーの方もいらっしゃいますが信頼ができ、細かいコミュニケーションや預り金利用の報告等必要なければ対応可能かと思います。
ほとんどの管理事務所では引き受けてくれないのでご注意ください。

②共益費の滞納は罰金、施設使用に制限がかかる

タイのコンドミニアムでも共益費があります。請求は年に1回、半年に1回とコンドミニアムによって異なります。

この共益費の請求はメールまたは郵便ポストに投函される形で通知されますが管理事務所にメールアドレスを伝えていないと請求に気づかず何年も放置されているケースもあります。

こちら放置していると延滞金が課せられます。お部屋に賃借人がいるとその賃借人は共用施設(プール、駐車場)の利用禁止を告げられることもありますのでご注意ください。

またこの共益費ですが売却時にクリアにして一切未払い金はありませんという管理事務所からの証明書がないと新しい所有者に移転登記出来ないという制度になっておりますので放置せずに期限を守って支払っておいた方が懸命です。

また支払っていても未払いのまま残高が残り続けて罰金が発生するケースがあります。

それは支払ったということを管理事務所に通知していないからです。タイでは銀行通帳やネットバンクの履歴に送金者名が表示されません。つまり誰から振り込まれたのか分からないのです。
送金者の分からない振込は不明金として残ったままになります。

なので振込が完了したら振込控えをメールで管理事務所に送って領収書を受け取るところまでが重要です。

コンドミニアムの管理会社も変わることがあり数年前の共益費入金の履歴を確認できないことがあります。

共益費は支払ったら領収書をもらうようにいたしましょう。

③電気代の未払いは電気メーターが取り外される

居住者がいなくても、電気のブレーカーを落としていても電気代は僅かですが毎月発生します。

その電気代を3ヶ月以上滞納すると電気メーターが取り外され電気の利用ができなくなり再度電気メーターを取り付けるには電気局に行って手続きをし700バーツの取付費用を支払う必要があります。

手続き後直ぐに電気が使える訳ではなくメーター設置に1週間以上かかることもあります。

久しぶりにお部屋に入ると電気が使えず滞在できない、折角の内覧時に電気が使えずお部屋が真っ暗で売却、賃貸が決まりにくいことになるので定期的に支払っておいた方がいいです。

毎月忘れず支払う対処法として電気料金の自動口座引き落としがあります。

こちらは大変便利ですが売却、賃貸が決まった際はキャンセルしないと他人使用の電気料金が引き落とされる形になります。

賃貸の場合は賃料に電気代を加えて毎月支払ってもらうことは可能ですが自動引き落としのキャンセルは本人が銀行窓口に行く必要がありますのでお気を付けください。

④鍵の本数、種類を把握しておく

購入物件の引渡しを受けると鍵も引き渡されますが大抵のコンドミニアムの場合1つではなく数種類の鍵があります。

玄関の鍵、メールボックスの鍵、エレベーターのカードキー、駐車場のカードキー、寝室の鍵などなど多くあります。
デジタルロックが主流な現在、玄関の鍵1つでもカード、チップ、シリンダー鍵と3つで1セットとなることもあります。

どの鍵がどこに何本あるのか把握していないと無くなったことに気づきません。無くなると複製費用が発生しますし作成に委任状が必要なケースがあり簡単に出来ないケースも多いです。

またデジタルロックの電池が切れたり、中でショートして電池が使えずカードや暗証番号では開錠できない際はシリンダー鍵で開錠する必要があります。
シリンダー鍵がないと開錠できず電子ロックごと交換しなければならないケースもあるので鍵は各種1セットで保管されることをお勧めいたします。

⑤送金方法を整えておく

やはり海外不動産を所有すると共益費を含む諸費用を海外送金しなければならないことが必ず発生いたします。

しかしながら現在銀行の海外送金は非常に厳しくなっております。

少額の送金でも請求書を要求されたり送金させたくないのか色々と細かいことを銀行で指摘されると私共もお客様より報告を受けております。
何よりも数千円の送金のために高い手数料と都度窓口まで行く手間が無駄だと思います。

そこで事前にネット送金を知っておいていただければと思います。主に2種類です。
①タイ国内のオーナー様の銀行口座のインターネットバンクを利用
②クレジットカード情報を利用したペイパルやトランスファーワイズでの送金

タイの銀行口座を銀行窓口にてインターネットバンクの申請をすれば日本に居ながらタイの銀行口座の操作が可能です。
②のペイパルやトランスファーワイズはアカウントの開設が必要ですが難しいものではありません。

日本の銀行送金以外の送金方法を確保しておくことをお勧めいたします。

⑥未清掃、放置は損します

売却,賃貸依頼があった際空室状態のまま長期間放置されているお部屋も多くあります。

長期にわたり清掃をしていなかったり、要補修箇所を放置していると雨やシロアリなどの要因から更にダメージが大きくなり資産価値が下がってしまいます。

面倒、無関心から放置されることもあるかと思いますがどこに頼めばいいか分からないというケースも多くあるかと思います。
弊社のような不動産仲介会社に依頼いただくか現地のコンドミニアム管理事務所に連絡すると外部の会社を紹介してくれることもあります。

また室内の損傷が大きいと売却時にあれこれと値引きの要望が大きくなりますし、やはり感度やテンションが下がります。

好印象を与えるようなお部屋の見せ方は重要です。

清掃するだけでも見え方は大きく変わります。

➆最低限の補修で問題ありません

逆に不具合箇所を修復する、リフォームして販売する際の修復限度ですが私は最低限で良いかと思います。

高級素材を入れた、高級家具家電を入れたからその分高く売れるという訳ではありません。ゴージャス感を出すためのリフォーム費用がそのまま売却価格に反映されることはありません。ただ周りの同額物件と比べ早く売れるということはあると思います。

補修のポイントは水漏れの跡、浸水や虫食いによる損傷している床材の交換、不要物の撤去、掃除、これだけで十分かと思います。これだけだと通常1ベットルームでかかる費用は20,000バーツ程度です。約7万円です。
この費用をかけるかけないでは成約スピードに大きな差がでます。

『損傷の無い清潔なお部屋の状態で売却/賃貸する』ということがポイントだと思います。

⑧売却、賃貸の営業方法や制限はご存知ですか

タイでは日本と不動産流通の習慣が大きく異なります。

宅建業法はなく個人で不動産の売買を業として行っても法律違反ではありません。

オーナーがFacebook等のネット広告で買主や借主を探す個人取引も盛んです。
業者もFacebookやポータルサイトを利用して売却活動を行います。

媒介契約というものがないのでオーナーは何社の不動産会社に声をかけてもいいですし自分で買主、借主を探し出してきても問題ありません。

自由なのはオーナー側にとって良いことではありますがある程度オーナー自ら動かないと日本のように事が進まない可能性があります。

タイは媒介契約がなく縛りがない分業者も積極的に動きません。興味のある人がいれば紹介するという程度のことが多いです。

日本だと一般媒介以外は独占的な販売が行え、媒介契約を結んだ以上販売活動しなければならないというルールがあるので売主(オーナー)が放置されるということはあまり無いかと思います。

しかしタイではそのような縛りがないので日本の業者ほどは積極的に販売や賃貸活動をせず、2業者間での取引となるCoagent(分かれ取引)はあまり行われません。

手数料が折半となるので客付け業者を断る業者も多くあります。
自社のみで売りきろう、賃借人をつけようというケースが多いです。

弊社は流通にスピードつけたいので客付け業者に協力を仰いでおります。

オーナー様自身である程度色々な業者に声をかけるのが得策です。

以上の8つのポイントをご理解いただければ購入後の物件運用がスムーズになります。

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