購入前に要注意!改善されるべきタイ不動産購入に関連する規制
行政に改善を求めたい
外国人のタイ不動産購入に関する規制の課題
タイ不動産市場は依然として外国人投資家からの関心が高い一方で、制度上の障壁が流動性を低下させている側面があります。
これから購入を検討される方には、事前に必ず知っておいていただきたい規制があります。
本稿では、特に改善を検討してほしい2点を整理します。
1. 不動産購入目的だけでは銀行口座を開設できない問題
現在タイでは、原則として長期滞在ビザを保有していない外国人は銀行口座を開設できません。
物件購入自体は、
-
仲介業者口座
-
デベロッパー口座
へ直接送金することで可能です。
しかし問題は購入後と売却時に発生します。
■ 購入後の問題
・賃料を直接受け取れない
・代理受領に頼らざるを得ない
・資金管理の透明性が下がる
これは管理面でのリスクを生みます。
■ 売却時の深刻な問題
タイ不動産の売買では通常、
タイの銀行振出小切手(キャッシャーズチェック)
で決済が行われます。
この小切手は原則として、
✔ 売主名義で発行
✔ 売主名義のタイ銀行口座にのみ入金可能
という仕組みです。
つまり、売主にタイの銀行口座が無い場合、
キャッシャーズチェックを受け取っても現金化できないという問題が発生します。
■ なぜ現金決済が現実的でないのか
理論上は
・土地局に現金を持参
・仲介業者名義で小切手を発行
といった対応は可能です。
しかし、
-
数百万〜数千万バーツの現金持参は危険
買主に現金持参を依頼しても高い確率で難色を示されます。
-
土地局で公開空間の中で現金を数える必要がある
私も何度か現金決済の現場に立会いましたが、個室も仕切りも無い土地局で数百万バーツの現金を数えるのはヒヤヒヤします。
-
住宅ローン利用時は銀行が売主名義小切手しか発行しない
という現実があります。
特に住宅ローン利用の場合、
売主が銀行口座を持たないと融資実行ができず、
現金一括購入者に限定されるという重大な制限が生まれます。
これは市場流動性を著しく下げる要因です。
2. FET制度と外貨送金義務の問題
外国人がコンドミニアムを購入する場合、
海外からの外貨送金に基づく
FET(Foreign Exchange Transaction)書類が必要です。
昔はタイで働いている証明が出来れば海外送金しなくてもタイの銀行口座にあるタイバーツで物件購入ができる書類をタイの銀行は発行してくれておりました。
または外貨を持ち込んで空港の税関で物件購入代金と申請してから銀行へ持ち込むと銀行がFETという登記に必要な書類を発行しておりましたが数年前から外貨持込でのFET発行をしなくなり現在は原則として銀行送金のみとなっています。
■ 何が問題か
多くの外国人投資家や在タイの外国人は
✔ 既存物件の売却代金(タイ国内資金)
✔ タイ国内銀行預金
を活用して再投資したいと考えています。
しかし現行制度では、
一度国外へ資金を出し、再度外貨として送金し直す必要があるケースもある
という非効率が生じます。
3. 規制の本来目的と副作用
これらの規制の背景には、
-
マネーロンダリング防止
-
外貨準備確保
-
資本流出管理
という政策目的があります。
しかし現実には、
✔ 投資家の利便性低下
✔ 売却時の流動性低下
✔ 住宅ローン市場の制限
✔ 再投資の阻害
という副作用も発生しています。
結果として、
「外国人に買わせない制度」に近い印象を与えてしまっている側面も否定できません。
4. 改善提案
以下のような制度改善が市場活性化につながると考えます。
① 不動産所有者への限定的口座開設許可
・物件所有者に限り銀行口座開設を許可
・売却専用口座の設置
② 国内資金での再投資許可
・既存物件売却益による再購入の簡素化
・国内資金利用時のFET代替制度導入
5. 結論
規制の目的自体は理解できます。
しかし、
市場流動性を下げる制度は、最終的に経済成長を鈍化させます。
外国人投資家に対して、
-
透明性
-
予測可能性
-
再投資の自由度
を確保することは、
タイ不動産市場の健全な発展に直結します。
今後の制度改善に期待したいところです。