2019年タイ不動産市況から見るタイ不動産2020年(新築プロジェクトが65%減)

コロナウイルスの影響、ニュースで占める2020年の第1四半期でしたが2020年のタイ不動産市況はどのようなものになるのかナイトフランク社の記事を参考にさせてもらい個人的な考えも含めご案内いたします。

2019年新築分譲戸数、販売戸数

2009-2019販売需要成約レート

2019年のコンドミニアム市場はバンコクのコンドミニアム総戸数623,381戸のうち、累積販売が525,223戸であることが明らかになりました。 これは販売率84.3%に相当し、2018年の85.8%から低下しました。
2019年の新築コンドミニアムの成約戸数は39,919戸(供給57,722戸)でした。

2019年時点でバンコクには合計623,381戸のコンドミニアムユニット数があり成約済のユニットが525,223戸 未成約ユニットが98,158戸となります。バンコクにあるコンドミニアムの部屋の全体の約85%は販売出来ているということになります。

2019年の購入者は、自己居住目的、実需購入者が70〜80%となった。この購入者層はすでに建物が完成し入居の準備ができているコンドミニアムを購入することに興味が高いです。
→投資目的、居住目的で統計を測るのは難しいかと思いますがバンコクの購入者層で実需層の割合の高さに少し驚きました。ショールームで購入決断するより実際の部屋を見てから決断する傾向が高いようです。実際に建物が完成しないと住宅ローン融資の審査が進まないといった事情もあるかと思います。

2019年末時点での空室、販売残戸数は約98,158戸です。
→約10万戸の販売在庫がバンコクにある状況です。

2014-19新築販売成約戸数

2019年の新築コンドミニアムの成約戸数は39,919戸、完成住戸は57,722戸でした。

2017、2018年と比べ成約戸数は減少しております。

新築供給戸数の変化

2009-19バンコクコンドミニアム戸数変化

2019年は130件の新築プロジェクトが販売され、合計57,722戸が供給戸数となる。
これは前年度から16.3%の減少となり 2018年には68,900戸が新築供給戸数であった。
2019年の新築プロジェクトの約61%がバンコクの郊外にあり、市街地では24%、都心ビジネス中心部(CBD)ではわずか15%でした。

この表を見ると2010年がバンコクのコンドミニアムの総戸数が約10万戸だったのでこの10年で約6倍になったということになります。また郊外でタイ人実需層が多く購入しており都心部(CBD)では今後も新規プロジェクトは減っていくと思われます。

新築コンドミニアム価格推移

2010-2019価格推移

バンコクのコンドミニアム価格はどの場所でも値上がりしていることがわかりました。
2019年末の時点で都心部(CBD)の新築コンドミニアム価格は1平方メートルあたり平均268,000バーツで、2018年の平均単価である1平方メートルあたり260,761バーツから上昇しており、2.8%の増加となります。
2019年末のバンコク市街地周辺の平均単価は1平方メートルあたり149,500バーツでした。
これは平均単価が1平方メートルあたり145,556バーツだった前年から2.7%の増加となります。
2019年末のバンコク郊外のコンドミニアムの平均単価は1平方メートルあたり81,000バーツで、2018年の1平方メートルあたり79,158バーツの価格から2.3%上昇しました。

2019年に販売されたコンドミニアムの多くは販売価格300万バーツ未満のプロジェクトでした。

バンコク郊外というとベーリン、バンナー、モーチットエリアとなりますが新築の平均単価は10万バーツ前後となります。しかしBTS(モノレール)やMRTの延線によりドゥシット、チャランエリアやシーナカリン等の郊外にも新築プロジェクトが広がりそれらの販売価格が平均単価を下げていると思われます。
外国人が買うようなBTSスクンビットライン、MRTブルーラインの駅近郊外新築物件は単価8万バーツ前後で販売されることはまずありません。
2022年イエローラインが接続するサムロン駅直結のMetropolisというコンドミニアムが4年程前のプリセールで㎡7万バーツ台でした。サムロン駅はバンコク都ではなくサムットプラカーン県になるのでバンコクのデータには含まれませんがこの物件をプリセール価格で購入された方は今後利益が出せるかと思われます。

新築コンドミニアム価格はエリア別で見ると2020年以降も微増または横ばいといった形になるかと思います。

2020年の新築プロジェクトの展望

1:新築プロジェクトは減少し各デベロッパーにより開発の延期が発表されています。
Land and House社, Golden Land社, Property Perfect社等は2020年は1棟も新規プロジェクトを行わないということを決定しAnanda社、SCアセット社は1プロジェクトのみ進行させる予定です。
→用地取得しているものの現在販売してもコロナウイルスの影響で売れないと見込み延期が発表されおります。
頃合いを見て新規プロジェクトを開始させる方向です。

2:コンドミニアムに代わってタウンハウス、戸建ての開発が注力される。Sena社はタウンハウス市場を席捲する準備があるとのこと
→コロナの影響もあり外国人投資家をターゲットすることが難しくタイ人実需層にフォーカスしていくものと思われます。外国人は土地所有が不可なので原則戸建ては買えません。

3:地方への投資、開発が盛んになる。バンコク郊外ではなくタイ南部のナコンシータマラートでコンドミニアムの大規模開発の計画がある
→高速鉄道計画もあり今後タイの地方都市、ナコンシータマラート、ナコーンラーチャシマ(コラート)等でのコンドミニアム開発も将来的に進むかと思われます。それらの地域で外国人投資家がコンドミニアムに投資する価値はまだまだ低いかとは思われます。

4:在庫ユニットを50~100部屋単位で投資家に販売または長期リース契約の販売を行う。ルンピニー社ではLumpini Rama 3-RiverineやLumpini Place Phahonyothin 32で計画をしている。
→バルクで投資家に売るまたは長期賃貸契約を結んで転貸、賃貸管理はルンピニー社が行い投資家は賃料収益を得るという方法でこちらは面白い計画だと思いますしこうしないと販売出来ない立地であったりします。
デベロッパーが自社でサービスアパート化するケースも増えてくるかもしれません。

2020年新規開発、戸建てまたはバンコク都内コンドミニアム

上記の表ですがバンコク都内で2020年の新規コンドミニアム開発は52件で戸建ては198件となります。

この52件のプロジェクトの戸数は約13,000~15,000戸と予測されリスト以外の中堅デベロッパーのプロジェクトを合わせても約20,000戸という見通しです。
2019年の130件の新築プロジェクト販売戸数57,722戸から見ると約65%減という予測となります。

→2020年はこれまでよりガクッと新築コンドミニアムの供給戸数が減ります。今まで過剰気味だったのでこの新築供給の減少はデベロッパーにも収益手法を変更することを考える良い機会であると思います。
単にコンドミニアムを1戸1戸販売するのではなく賃借権という形でバルク販売したり、借地化してタウンハウスの販売も外国人に行われるようになるかもしれません。
またコンドミニアムも新築志向が強かったですがバンコク都心部や駅、商業施設が近い好立地は既に土地が少なく新規プロジェクトも立ち上がらないことから都心部の中古物件の価値も見直されるかと思います。

以上です。

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