海外不動産を所有する一番のメリットは何なのか2
前回からの引き続きです。
外貨保有になぜ不動産購入なのか
外貨保有の重要性を説いたところでなぜ海外不動産の購入に繋がるのかですが、外貨を持つ方法として不動産購入が一番手っ取り早く多額の外貨を所持できるからです。その国の銀行口座も開けるかと思います。
米ドルであれば米国株投資がメジャーですがその他の外貨となるとタイ株式やその他の国の株式への関心はかなり低くなってしまうかと思います。
会社の業績、国際情勢を予測するよりもそのエリアの不動産がいくらで貸せるか、購入後売ることが出来るかを予測する方が遥かに容易です。
実物資産なので購入不動産を自分で利用することができるメリットもあります。
購入するのであればやはり自分が好きな国、滞在したい国を選ぶことも大切であると思います。
外貨保有のリスク
単純な話ですが保有先外貨の暴落がありえます。
もしタイバーツ資産を持っていてタイバーツが暴落すれば資産は目減りしてしまいます。
これは日本円も同じなのでリスクヘッジする上では仕方のないことです。
為替に一喜一憂しないのが一番の目的です。
通常リスクヘッジとして保有する外貨はやはり米ドルだと言われております。
タイバーツが適正とまでは言えません。
その為タイ不動産を推している話ではありません。
タイバーツ保有をより有利にするためには将来タイに移住する計画がある、タイ旅行が好きでバーツを使う機会が多くある方にはメリットがあります。
為替の威力、タイ不動産の本当の出口
現在バーツ高が続いております、これは観光収入、外国投資の影響が非常に大きいタイで改善されなければならない点であると思います。
このバーツ高ですが私が来タイした2012年と現在を比べると、ものすごい差があります。
今これを書いている2021年3月ですが1バーツ3.55円です。※日にち省略
2012年12月が2.69円です。
1万円を両替すると当時のレートだと約3,700バーツです。
現在だと約2,800バーツと900バーツもの差があります。
900バーツあればどれくらいのことが出来るか、どれだけ大きな差となるかタイの物価をご存知の方であればご理解いただけるかと思います。
日本円を両替してタイで生活されているリタイアの方からするとこの900バーツの差はかなり大きな問題になると思います。
しかしコンドミニアムを売却する方にとってはかなり有利です。
タイ不動産投資の出口はコンドミニアムを売却した時ではありません。
売却金額のタイバーツを日本円または購入時の通貨へ両替した時が出口となります。
タイでは外国人はタイバーツ以外の外貨でコンドミニアムを購入しないといけない法律があります。
日本人でタイのコンドミニアムを購入している方も皆様日本円やドルを持込または送金して購入という形になります。
極端な例ですが先のレートに従って2012年に購入し2012年に購入金額+10%で売却し即日本円へ両替した時と、2012年に購入し2012年に損切りして購入金額-10%で売却しそのままバーツ保有、2021年に日本円に両替した場合、以下のようになります。
2012年に購入し2012年に両替し出口
物件購入金額500万バーツ(1345万円)
売却金額550万バーツ(1479万5千円)
50万バーツの利益、134万5千円の利益
2012年に購入し2021年に両替し出口
物件購入金額500万バーツ(1345万円)
売却金額450万バーツ
50万バーツの損失
しかしこの450万バーツを2021年現在両替すると1597万5千円となります。
50万バーツの損失、252万5千円の利益となり安く売ったのにも関わらず高く売った時より利益が高くなるという現象が起こります。
これは2012年に売却していなくて2021年のコロナ禍に購入金額より安いバーツで売ったとしても日本円に両替すると為替のおかげで利益が出せる形になります。
売却金額はすぐに日本円にしなければならないということはなく定期預金にでも入れて保有しておくことも可能です。
このように本当の出口となるのは売却したタイバーツの金額ではなく購入時の通貨へ両替した時が出口となります。
外貨を保有していると円安になったり、外貨が高くなったその時に有益な対応が可能です。
最後にタイのコンドミニアム購入について
タイ不動産投資で大儲けすることを念頭に置くと思ったようにはならない可能性が高いです。
投資金額の200%以上を回収するにあたり転売時のキャピタルと合わせ実質利回りが4%であればトータル賃貸期間は10年以上、保有期間は15年以上見ていただいた方がいいかと思います。
そもそも200%も回収する必要がなければ5,6年で転売されるのが良いかと思います。
コンドミニアムを買えばとにかく価値が上がる、買った金額より高く売って当たり前という時代は既にほぼ終わっております。しかしまだ日本と比べると買った瞬間に値段が下がるということもありません。
外貨保有が前提とはいえ損失を出すのは本末転倒なので物件を見極めて購入することが大切です。
思うように売却出来ず損失が出そうなのであれば賃料を安くしてでもとりあえず賃貸で回し、売却できた際は為替状況を見計らい両替するなどして損失リスクを回避していただければと思います。
長くなりましたが以上です。