世界各国に広がる脱中国、タイ不動産に恩恵はあるか
連日ニュースで取り上げられその行方が気になる米中貿易戦争についてですが、このまま平行線を辿る場合は中国にある外国企業、そして中国企業も周辺の東南アジアまたはインドへ生産拠点を移さざるをえないという状況になると、中国で事業を行っている方から聞きました。
工場の移転となると何億、何十億という資金と年単位の時間がかかるのでこれに耐えれない企業は今後かなり厳しいようです。
関税や規制をかけられ中国製品が売れないという状況になればそこに部品を供給している日本企業を含め世界中に影響が出ます。
先日の米中首脳会談の結果、ファーウェイ製品の取引許可、追加関税の先送りが発表され事態は和らいだように思いますが今後企業の脱中国が進んでいく確率は高いかと思われます。
企業の脱中国に関するニュース
脱中国を検討する企業、「タイに照準」も多数:Forbes JAPAN
アップル、中国への生産集中を回避 取引先に検討要請 :日本経済新聞
Thailand Sees Threefold Increase In Chinese Companies Looking To Move(タイに視察に来る中国企業が300%増):Forbes
アメリカはメキシコに対して移民対策の防御壁の建設を取り消しましたが新たな生産拠点をメキシコにつくるという考えがある元での取り消しのようです。東南アジア以外にメキシコに拠点を移す企業も出てくるかと思います。
この企業の脱中国の加速は避けられないものと見られており移転先が気になるところですが、やはり東南アジアがほとんどの移転先となり人件費で選べばベトナム、カンボジアが有利です。しかしタイから見てもまだまだまだインフラ整備や供給電力などの面でかなり難しいかと思われます。
インフラ、実績、治安、政局を見ても東南アジアの中でやはりタイがダントツでバランスが取れ移転候補先になるかと思います。タイ以外であればフィリピン、ベトナムが対中国に強い態度をとることができるので取り込まれないという安心感はあるかもしれないですね。
タイは現在先端技術の外国企業の誘致に力を入れるEECを進めていることもあり今後、外国企業のタイ進出は順調に増えそれに伴い雇用人口、外国人増加は着実に増える形にはなると思うのでそれがタイ不動産を盛り上げる形になってほしく思います。
2019年の中国人によるタイ不動産の購入は以前より減っております。デベロッパーも中国以外の新たなマーケットを発掘していかなければなりません。
タイ不動産を買う外国人顧客で数において中国人に台頭する国が出てくることは無いかと思いますが欧米人、そして日本人にタイ不動産はまだまだ存在感が薄いのが現状で、今後、外国企業のタイ進出が更に増えることで海外不動産においてタイの存在が大きくなる可能性はまだまだ大いにあると思います。
また海外にある中国国有企業に対して共産党が海外資金の回収を指示しているようです。この動きは実際にタイ不動産の中でも見られ国有企業が保有する物件が相場より安く市場に出され売却を急いでいるように見えます。このような指示が出されるということは中国経済がかなり深刻な状況なのではと思わせられるものになります。