コンドミニアムを購入するのはどの国が良い?東南アジア5ヶ国の比較
ラオス、カンボジア、ベトナム、インドネシアのコンドミニアムを前回からご紹介してきました。
実際に見て現地をご紹介いただいたエージェント様のお話とネット上の情報を参考にしてタイを含めた東南アジア5ヶ国、どこで投資用としてコンドミニアムを購入するのが良いか私見を述べさせていただきます。
回答から入ると安定面、安全面を考慮してタイ、バンコクが一番良いと思います。
これは私がバンコクで事業を行っているからバンコクを推している訳ではありません。
その理由と各国の外国人が不動産購入する際の規制や注意点を下記にご案内いたします。
ラオス
首都のヴィエンチャンに竣工済のコンドミニアムは4棟前後とかなり少ない未開のブルーオーシャン市場となります。
区分所有権を購入できる物件がほとんどなく、多くは期限のついた借地物件となります。
区分所有権を持てるManee residenceの販売価格はバンコクの郊外新築物件より高額となり都心部の価格に近い価格となっております。
供給数が少ないので高利回りで現在は運用が可能ですが外国人数が他国と比べ圧倒的に少ないので開発が進めば供給過剰を迎えるのが早いです。
また自国民の平均所得が5ヶ国中一番少ないので現地民を対象とした賃貸や転売は他国と比べ一番困難かと思います。
ベトナム
経済成長、国の勢いは東南アジアの中で一番感じられます。
首都ハノイにもコンドミニアムはあるがホーチミンやダナンにも広範囲に相当数の供給がありますが、既にかなり高額となっております。
ベトナムも土地は政府が管理するという考え方が強く外国人が区分所有権を購入できるのではなく50年の使用権を購入する形になります。
中古物件を購入する際は外国人は外国人からしか買えないというベトナム独自のルールがあります。しかしそれ故に中古物件を購入したい際は外国人所有者から売ってもらわないといけないので外国人が所有するお部屋はベトナム人が所有するお部屋より高額となるケースが今後多く発生していくと思われます。
また経済成長が高いことからベトナム人を対象とした賃貸や転売も今後増えていくものと思われます。
インドネシア
ジャカルタでは南ジャカルタ、中央ジャカルタの限られた地域にのみコンドミニアムが建築されています。ジャカルタ以外でもスラバヤなどではコンドミニアムはあるもののインドネシアの国土、人口からするとまだまだコンドミニアムは少ない状況です。
コンドミニアムの品質、施工レベル、管理状況はタイを凌ぐ東南アジアでもナンバーワンクラスだと思います。タイと比べとにかく高級感を求めて作られている、お部屋を狭く細切れに作って出来るだけ効率よく稼いでやろうというデベロッパーの考えではなく高級志向で一戸あたりの価格が高くても広くて良いものを作ろうというのを感じました。
しかしながらベトナム、カンボジアと比べ市場があまり注目されていないのと情報が少ないです。
ムスリムの方が多くイスラム文化があり他の国と少し違う雰囲気があります。
外国人の購入に際してインドネシアで仕事をしており長期滞在ビザを所有しているかまたは滞在許可書などが必要など購入に際してのハードルが他の国と比べて高いようです。また一定の価格以上の物件でないと外国人に購入を許可されなかったり、区分所有権ではなく使用権であることがあります。
そのためエージェントからは外国人はインドネシアで法人を作るかインドネシア人の名義で購入するケースも多いと聞いております。
カンボジア
カンボジアは他の国と比べ外国人の購入規制が緩く、使用権ではなく区分所有権の購入が可能です。
しかし所有権移転登記手続きが完了してハードタイトル(権利書)を取得するのに数ヶ月要したり、弁護士を使わなければならないケースが多く費用を支払わないといけない、日本の戸籍謄本が必要となり配偶者が要れば配偶者の同意、書類も必要と手続きが複雑です。
カンボジアではタイ同様、物件の供給過剰で割安でリセールが出始めております。
在留邦人数は約3,000人と少なく外国人数も少ない状況です。ちなみに他の国の在留邦人数はラオスは約600人、ベトナム、インドネシアでは約2万人となります。
邦人数が多いところでは邦人だけではなく全体的に外国人数が多くなり入居者の対象が多くなります。
タイとその他4ヶ国との比較
ラオス、ベトナム、カンボジアは隣続きの国でかつてフランス領であったのが影響するのか車は左ハンドルです。通貨の単位も非常に大きく分かりづらいです。ラオス、カンボジアは中国依存が強いことが分かりますがベトナムは中国依存を感じない姿勢です。
カンボジアやラオスの不動産開発は中国企業が担っているところが多く、途中で頓挫してしまい建物が未完成でそのまま放置されているケースが結構あります。マーケットを顧みず、利益目的で乱開発し、上手くいかなくなればそのまま放置して逃げてしまう、これを見るとやはり外国企業に土地開発、建物建築の権限を持たせてしまうのは、かなりリスクが高いことだと思います。
利用しているSNSも各国で異なりラオスはWhatsApp、ベトナムはZalo、カンボジアはTelegram、タイはLINEで異なるのが不思議なところです。インドネシアではWhatsAppが主流です。
カンボジアは2010年頃、インドネシア、ベトナム、ラオスでは2015年頃から外国人がコンドミニアムを購入することが許可されております。
タイは30年以上前から外国人の不動産購入を認可しており、他国を比べると歴史が浅く、情報も少なく法制度も曖昧で流動的となっております。
タイで事業をしているからタイが良いというのではなくやはり総合的に見て、タイだけ外国人にコンドミニアム購入を許可してから30年以上の歴史があり定着した法制度があり、ネット上の情報量、市場の安定性があり安心して所有権を主張できます。
タイ、カンボジアを除く国では外国人へは使用期間を定めた物件の販売が多いです。
借地物件の使用可能期間は50年やそれ以上となるところが多く海外不動産の購入者は40代またはそれ以上の方が多いので現段階で購入し、健在であるうちに借地期限を迎えることは無いかもしれませんが10年後、20年後に売却する際にその借地期限が影響して売却金額が購入金額を大きく下回る可能性も考えられます。
タイは外国人は外貨でタイ不動産を購入しなければならないという規制はありますがそれ以外は転売、銀行送金に際しても規制が他国と比べ緩いです。
また外国人の数、在留邦人数が突出して多く、自国民の所得も周りと比べると高い方です。
また幅広いグレードのコンドミニアムが供給されており賃料4-5万円でプール、ジム付きの綺麗なコンドミニアムで住めるのはタイだけです。他国ではコンドミニアムといえば高級なもので1ベットルームでも賃料は基本1,000ドル(約15万円)はします。
そのため少額で物件購入をすることが可能且つ物件購入後、入居対象者となるのは駐在員や富裕層だけでなくタイ人中間層を含めた多くが入居の対象者となり得ます。
しかしながら供給数も多いので利回りは他国と比べ低いです。
安定を求めるならタイ、ハイリスクハイリターンを狙うならタイ以外の国が良いかと思います。その中でもまだカンボジアは外国人への購入、転売規制が少ないと思います。
特にベトナムではもう少し、タイのように外国人への規制を緩和すれば外貨が集まり更に経済成長するのになと思うのですが、それぞれの国に考え方があり良い勉強になりました。